ヨガについての紹介
ヨガはバラモン教、仏教、ジャイナ教の修行法でもあったので、歴史や詳細な学説に触れると記述が膨大なものになり、また現代でのヨガによる健康法やマタニティヨガについて言及する、というテーマから離れすぎてしまうので、世界でのヨガの歴史のお話はここまでにして、次に日本でのヨガの歴史について、簡単に触れたいと思います。動的ヨガはタントラ的な身体観を基礎にしていて、ハタ・ヨーガと呼ばれます。元々、宗教との深い関わりからは切り離せないヨガだけに、そうした影響を避けるのは当時難しかったと思います。また「阿字観」は「阿字観ヨーガ」「密教ヨーガ」とも言われますが、弘法大師によって平安時代に伝えられた瞑想の方法です。
禅自体、達磨がインドから中国に伝えて成立したとされる大乗仏教の一派ですが、日本の伝統的な宗教と現在ブームになっているヨーガが歴史的に繋がっている、ということは、実際にヨガを健康法、美容法としてライフ・スタイルに取り入れている若い女性には案外知られていません。そうしたヨガの普及を受け、フィットネスクラブなどでも、エアロビクスやボクササイズなどと同じように、スタジオプログラムの中に取り入れています。難しい座法や呼吸法を重要視し、「超能力」や意識が対象と一体化するという意味の「三昧」を追求する傾向もありますが、現在、日本を含めて世界各地に浸透しているヨガは、このハタ・ヨーガの方法に分類されるのです。ダイエットに効く、としてテレビなどのメディアで紹介されたり、ヨガを使ったCMも次第に増えていきます。
健康法としてブームになっている今日のヨガが伝播したのは、昭和時代でしたが、一連の事件を引き起こし、一時期ヨガはタブー視され、下火になる、という影響を受けてしまいました。その後、真言宗や天台宗における「護摩」、「阿字観」といった密教行法として、現代に伝わっていますが、サンスクリットのホーマを音訳して書き写した「護摩」とは、バラモン教の儀礼から取り入れられました。そして禅宗の座禅も、実はヨーガ・スートラ第2章に記述が見られる「観想」、すなわち「意識が対象から流出し、拡大する」という意味のディヤーナの音写なのです。
「ヨーガ・スートラ」を根本経典として成立した「ヨーガ学派」は、インド哲学の中で、6派哲学(の1つにカテゴリーされ、静的なヨガでしたが、12世紀~13世紀にかけて、動的なヨガが出現するようになりました。けれど2004年から健康ヨガは再びブームになり、脚光を浴びるようになります。806(大同元)年、空海が唐から帰国し、日本に初めてヨガが瑜伽として伝わりました。
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